大学職員から見た大学生の就活やキャリア教育

 以前、学生センターで就活の担当していたことを書きたいと思う。就活支援は学生からもっとも感謝される部署で多くの大学で人気?!のポジションの一つである。人数も昔は一人でやっていたのを、今はやれキャリア教育だなんだといって、多くの予算と人員を当てている。

 昔はといっても、平成16年の国立大学法人化するぐぐらいまでは、そもそも進路指導は教員がやるものであって、事務は無料職業紹介、いわゆる求人票の斡旋がすべてであった。学校は厚労省に届出すれば無料職業紹介ができるのでどこの大学でもやっているのだが、ちゃんとした斡旋をやっているの大学はほとんどないだろう。理由は簡単である。斡旋するには高度の経験と知識が必要だし、うまくいかなければ企業・学生からクレームがくる可能性があるからだ。だから、求人票だけ公開して問い合わせがあったら自分で連絡しな、あるいはハローワークで聞いてみな、最後は先生のところへ行きなで終わりである。今は求人票が電子化してしかも無料の求人システムのサービスもあるので、本当に手間いらずである。

 そういえば、求人票の整理よりも大変な仕事があった。進路状況調査である。これは学生から直接、就職先を聞き出すのである。これは今でも大変な仕事で、だいたい就職が決まれば、大学とは疎遠になる傾向がある。理系は研究しているので大学にいるが、文系は行方不明で音信不通なることが多いので、友達に聞いたり親に確認したりと全然終わらない。最悪な仕事である。

 まあこんな感じでイマイチなことばっかりを書いたのだが、これが大変やりがいのある仕事に変わっているのだ。それがキャリア教育である。事務員が教育の事業をできるのである。事務仕事しかできない人間が、大学生の進路指導に足を突っ込むのである。(つづく)