国立大学にとっての意思決定とは
事務をしていると、時々どうやったら大学として意思決定できるのかと不安になってしまう。課長がオッケーといっても何か大丈夫なのだろうかと思うし、監査とか入って何でこんなことやってるのと突っ込まれ、アタフタするのもできれば避けたい。ということでちょっと調べてみた。
まずはやっぱり法律だろう。我らが憲法の国立大学法人法では学長は総理するとなっている。
そして、ちょっと前までの憲法で今でも大事な学校教育法ではこんな感じである。
他にも細かいことはあるが、概ね学長が決定するものと思われる。
んで、学長はなんでも決定できるもんだと独裁政治になってしまうので、国立大学法人法にはいろいろとけん制がされている。それが経営協議会(第20条)と教育研究評議会(第21条)の2大審議機関である。重要事項であればどっちかあるいは両方とも審議をしなければならない。
そして、さらに役員会に審議することがある。だから超重要案件であれば、トリプル審議という恐ろしいことになる
この審議を通れば決定かというとそうではない。最後は文書決裁がまっている。審議から承認はあくまでも承認であって決定ではない。学長が決定するには文書で残さなければならない。そうでないと大学の説明責任は果たせないし、モリカケ問題のように情報公開にも耐えることができない。
ということで重要案件の最短決定コースは経営協議会/教育研究評議会 → (役員会) → 学長決裁 となる。
独立行政法人法や公益財団法人の法律を参考にしたかどうかは定かではないが、とにかく簡単にはいかない。結果よりもプロセスの方が大事であることは言うまでもない。審議しなければならない会議をスルーしたら法律違反である。(違反するとどうなるかは知らないが)まあ言い過ぎではあるが、大学を始め公的機関の意思決定は大変である。中央省庁の役人はこれとは比較にならないほどの審議を重ねなければならない。本当に彼らはすごい集団だ。大学職員で良かったとつくづく実感した。